レーザーフラッシュによる比熱測定(LFA)

物性値
レーザーフラッシュ測定とは
レーザーフラッシュは、一般的に少量のサンプルで固体と液体を測定したいときによく使用されます。この装置はASTM E1461、DIN EN 821及び ASTM C714 規格に準拠しています。 この方法は、3 つの熱物理特性 Cp、a、及びλ を測定するために 1961 年に開発した Parker らにさかのぼります。
レーザー フラッシュ法では、サンプルの底面からパルスエネルギーを垂直に照射します。 サンプルの底面側から照射されたエネルギーがサンプル上面に伝わり、その時間を計測することで熱拡散率を測定します。
熱拡散率は温度に依存するため、サンプルを目的の温度に加熱後、等温保持します。その後、サンプルの底面側から短いパルス エネルギー (キセノン フラッシュ ランプまたはレーザー) を照射して測定します。
吸収されたエネルギーは、サンプル表面の薄層の温度上昇を引き起こします。 この温度上昇はサンプル全体に広がり、サンプルの上面でも温度上昇が発生し、赤外線検出器によって時間の関数として記録されます。
サンプルの厚さ d (cm) が既知の場合、熱拡散率 a (cm2/s) は、次の式を使用して分析温度上昇関数に基づく温度上昇の時系列から計算できます。
t1/ 2: 立ち上がり時間が最終値の半分(ハーフタイム)
ただし、この計算式は、サンプルの熱の損失やとても短いエネルギー パルスの測定時間を反映していません。 実際のところ、与えられた熱の一部は、放射、対流a、またはサンプル周辺領域への熱放散によって失われます。
これらの影響は、反復近似ソリューションなどのさまざまな数学的プロセスによって修正され、特別な評価ソフトウェアによって解析されているため、レーザー フラッシュ法は広い温度範囲にわたって非常に正確な測定結果が得られます。
レーザーフラッシュ法による比熱解析
比熱(Cp)は、レーザーフラッシュを用いた比較法によって測定することができる。 そのために、Cp既知の参照試料を使用してLFA装置を校正します。 次に、サンプルを同じ条件 (寸法、グラファイト コーティング及び温度プログラム) で測定します。
相関関係を次式で表す
サンプルの比熱は次式で算出することができる。
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サンプルの密度も既知である場合、次式によって熱伝導率が算出できる。
比熱は示差走査熱量計(DSC)によっても測定することが可能である。